少し安っぽさも感じるタイトルですが、一言でいえば「サーバントリーダーのお手本」とも言える人物を描いた良本です。
サーバントリーダーと聞いてピンと来ない人は、読んでもつまらないかもしれません。
ただ、「世界の名だたる経営者を導いた人がどんな人物なのか?」を知りたいなら、ぜひ読んでみると良い本だと思います。
本の概要
本の表紙にもある通りAppleの「スティーブ・ジョブス」や、googleの「エリック・シュミット」、その他にも数々の偉大な経営者の共通の師である「ビル・キャンベル」について語られています。
この本は彼の死後、そのコーチングの秘訣が失われない様にと、エリック・シュミット中心にまとめられ、出版されたそうです。
具体的なエピソードを中心に、彼の行動理念や信念、実際の振る舞いが散りばめられ、描かれています。
読んでみるとわかりますが、著者たちが彼への手向けとして作った本の様にも受け取れます。
個人的な感想
ビルキャンベルの「コーチングメソッドを体系的にまとめた」本ではないので、コーチングのHow Toが知りたい人には向いていない内容だと思います。
一方で彼は「プロジェクトアリストテレス」で良く知られる「優秀なマネージャー」の人物像、そのものです。
ということで、超一流マネージャーのロールモデルを知るには、とても良い本だと思いました。
特に個人的には「眼の前の課題自体ではなく、チームや組織の問題に注力し、解決を目指す」→深刻な事態の解決につながるという内容は意外性があって、頭に残りました。
一方で、トップマネジメントの非常に難しい経営上の話(例えばレイオフ)なども出てくるので、ピンと来ない所もちらほら。
なので、読み手を選ぶ本ではあると思います。
しかし、1on1のエピソードや「マネジメントの仕事の1つは決定する事」といった、良く語られる内容も盛り込まれています。
という事で、マネジメントに携わる人なら学べる所もしっかりあるので、オススメできる内容だと思いました。
なにより、冒頭で紹介される彼の葬儀の列席者の豪華ぶりを見ると、本当に偉大な人だったのだろうと思えます。
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